「MultiFab」は3Dプリンターの最先端 10種の素材のプリントが可能に しかも驚きの低価格

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3Dプリンターは着々と進化していますが、まだ実用的なレベルには程遠い感じがします。この現状を打破しようと、多くの企業が複数素材からなる物体を3Dプリントできるプリンターの開発にしのぎを削っています。しかしながら、現段階では1度にプリントできる素材は3種類まで、かつ本体価格が非常に高いです(約25万ドル=約2900万円)。しかも人力作業もかなり必要です。

今週、CSAIL(MITコンピュータ科学・人工知能研究所)の研究者チームがSIGGRAPHコンピューターグラフィックスカンファレンスにおいて、1度に10種類の素材をプリントできる3Dプリンター「MultiFab」を発表しました。時間、エネルギー、コストの削減も可能とのこと。

“MULTIFAB” 3D-PRINTS A RECORD 10 MATERIALS AT ONCE, NO ASSEMBLY REQUIRED
https://www.csail.mit.edu/multifab_multimaterial_3D_printer#

 

「MultiFab」はどんな3Dプリンターなのか?

40ミクロン、すなわち人間の毛髪直径の半分未満の解像度によって、この「MultiFab」システムは3Dスキャニング技術を用いた初の3Dプリンターです。この技術により従来の3Dプリントには有りえなかった以下の2つの点が可能になります。
まず「MultiFab」は自律的に測定し、補正することが可能です。これによってユーザーが微調整する必要がなくなります。デザインの各層に、システムのフィードバックループが3Dスキャンし、エラーを検知するといわゆる「補正マスク」を生成します。この方法によって、プリントの緻密性を維持しながらも低価格なハードウェアが実現できるのです。
次に、「MultiFab」によって電子回路やセンサーといったような複雑な部品を本体に直接埋め込むことができます。つまり人による組み立て作業を必要とせず完成品が生成されます。

 

「このプラットフォームによって製品製造の新しい可能性が開かれます。今まではプリントが困難または不可能と言われていた物体を個人で作ることができるようになります」とCSAILの研究エンジニアであるJavier Ramos氏が語っています。実際、このチームは「MultiFab」を使ってスマートフォンケースからLEDレンズまであらゆるものをプリントしました。他にもマイクロセンシング、医療用画像、テレコミュニケーションなどへの応用を予定しています。さらには、より先進的な電子工学の3Dプリントを可能にするモーターやアクチュエータの埋め込み実験も予定しています。

 

気になる本体価格ですが、既製部品を使用することで7000ドル(約8万4000円)に抑えられたそうです。2015-08-25_1429

 

複数素材のプリントは実は難しい

 

異素材は圧力や温度等の各要素について、特定の方法でプリントされる必要があります。そのため、複雑なものをプリントするにはたいてい、個々のピースを別々にプリントしてから、人力で組み立てる作業が必要でした。しかしこの「MultiFab」では、このプラットフォームに部品を置くだけで、自動的に3Dのジオメトリーをスキャンし、そのデータを基にその他の部品を周囲にプリントできるのです。例えば、iPhoneをプリンターに置き、ぴったりサイズのケースをプリントするようにプログラミングすると、電話端末にケースが取り付けられた状態で出来上がります。

 

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「たとえば電子式ワインオープナーを作っている人が7000ドルの3Dプリンターを購入できない場合に、デザイン画をもってFedExに行けば手ごろな値段で製品をプリントアウトできる。こんな風に3Dプリンターが実用的に利用されるようになるのが私の究極の夢です」とRamos氏は語っています。

 

 


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