2015年ダイソンアワード受賞のロボティック義手 ハイエンドな機能と驚きの低価格

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2005年から開催されている「ジェームズ ダイソン アワード」は、次世代のデザインエンジニアを支援、育成することを目的としています。

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via: http://www.jamesdysonfoundation.com/news/educators-need-lead-front/

 

 

今年イギリス国内でこのダイソンアワードを受賞したのは、Open Bionicsのロボティックハンド。この3Dプリント製のロボティックハンドは今までになかった低価格と短い作成時間が可能になったそうです。

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Open Bionics robotic hand for amputees wins Dyson Award
http://www.bbc.com/news/technology-34044453

 

「販売価格はローエンド、機能性はハイエンドのデバイスです」とJoel Gibbardさんが語っています。「非常に軽量で、かつユーザー1人1人にオーダーメイドが可能です」とも。さらに、ハンド骨格の上に貼り付けるスキンを好みに合わせて変えることも可能ということです ↓

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このロボティックハンドの価格は2,000ポンド(約37万5000円)。
一般的な義手の相場は、フックで固定するタイプであれば同様の価格帯で入手できますが、このロボティックハンドのように指をコントロールできるタイプは20,000~60,000ポンド(約375万3000円~1,126万円)だそうです。つまり約10分の1にまで価格が抑えられることになります。

また作成時間は、現在は数週間あるいは数か月かかっているものをこのロボティックハンドなら2日で完成できるそうです。

 

 

Open Bionics ロボティックハンドの機能

このOpen Bionicsのロボティックハンドは筋電信号をもとに機能します。つまりユーザーの皮膚に埋め込まれたセンサー経由で筋肉の動きを検知し、そのグリップをコントロールします。

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↑ 上腕内側の筋肉に力を入れると手にその信号が伝わり、

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↑ 外側の筋肉に力を入れると「開く」の信号がハンドに伝わります。

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↑ 開いたままにしておくと、今度は指が動き出します。

このロボティックハンドでは指が触れているものを感じ取ることはできませんが、センサーによって適切な力加減を調整できます。そのため卵のような割れやすいものでも割ることなく手に持つことができるそうです。

Open Robotics ロボティックハンドの今後

Gibbard氏によればまだいくつか改良すべき点があるそうです。その1つは「力が不十分である」こと。「ユーザーに協力してもらい、一般家庭にある物を使ってテストしています。そして購入しやすい価格でありながらも、皆が満足できる出力が可能になるように努力しています」とのこと。

 

最初はプラスチック製だったそうですが、10回のモデルチェンジを経て現在のデザインにたどりついたそうです。「素材は熱可塑性エラストマーです。これは柔軟性の高いゴム状のプラスチックで、以前のモデルよりはるかに少ない部品でプリントすることができ、さらに可動性の高い結合部が実現できました」と語っています。また現在のハンドは前腕部のみですが、ひじより上の部分にも対応できるハンドの開発も視野に入れているそうです。

 

2016年の後半にこのロボティックハンドの販売を予定しているとのこと。一方でこのプロジェクトは「オープンソース」であり、だれでもこのデザインを無料で利用できるとのこと。代金を支払う代わりに、改良点を共有することが条件だそうです。

 


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