テスラを家電用電源として使用した結果…V2G対応への期待

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 2021年2月、アメリカテキサス州では、脅威的な寒波が襲い、凍てつく気温と雪が原因で送電線が故障。数日間停電になってしまいました。酷寒の中、電気暖房器や電子レンジなど家電が使えなくなるという最悪な状況でした。

 


 

テスラ車を電源として使用 

 そんな中、電気自動車(EV)のテスラを所有する男性が、テスラを外付け電源として使用し、家電の給電に成功したことをFacebookのプライベートグループ「Tesla Owners Club Portland」で投稿。 2000wのインバーターを購入し、接続。コンロ、パソコン、照明、冷蔵庫に電気が通り、通常通り使えたと報告しました。

そのFacebook投稿を引用したツイート。SNSでの投稿をやめるよう呼びかけている。その理由は?

 

喜びもつかの間、悲惨な結末に…

 数日後、テスラに異常が発生し、ナビゲーションや音楽再生ができなくなり、車庫の扉が自動開閉不可能に。さらには、バッテリー交換の警告が表示されるようになり、ついに動かなくなってしまうという大惨事に…

 

不幸はさらに続く…

 結局、テスラでバッテリーを交換してもらったそうですが、今回の交換は無償交換の保証対象外であると宣告されます。というのも、先のFacebookでの投稿内容から、使用範囲規定を逸脱した行為が原因の故障であるとメーカーが判断したため。

 

フォード所有者からは喜びの声続々

 一方、フォード車「2021 Ford F-150」を所有していた男性は、同じような発想で愛車を外付け電源として使用し、見事に成功。備え付けのPro Power Onboardは、もともと発電機レベルの電力を車内外で利用することができる仕様で、4日間の停電期間中、自宅の家電はもちろん、ご近所にも携帯端末の充電におすそわけできたそうです。車にも異常なし。
 この男性の他にも、同車のPro Powerのおかげで助かったというコメントがSNS上で多数投稿されています。

Randy Jones, a retired refinery worker, used his 2021 F-150 PowerBoost Hybrid truck to power his home in Katy, Texas during a blackout this week. This photo was taken Monday.
「2021 Ford F-150」から自宅へ送電している様子。本人が撮影。(出典:Detroit Free Press)

 

 

V2G搭載の電気自動車への期待

 もし、テスラ搭載のバッテリーを家電用電源として使用できるようになった場合、標準的な世帯では数日は給電可能だそうです。テスラを家電用電源として使った今回の騒動では、有償でのバッテリー交換という残念な結果になりましたが、電気自動車に蓄積した電力を車内だけでなく他の場所でも使えるようにする技術、V2G(Vehicle to Grid、ビークル・トゥ・グリッド)は、日本でも2018年頃から実証実験が行われています。電気自動車を「乗り物」としてだけではなく、必要に応じて電力を送受信できる「インフラ」として活用する考え方は、異常気象が増加し、いつ停電に見舞われても不思議ではない近年、今後ますます需要が高まるはず。

 ちなみに、2020年電気自動車(PHV含む)世界販売ランキングで、テスラ(499,535台)は、2位のフォルクスワーゲン(220,220台)を大きく引き離しダントツのトップです。とはいえ、米国のEV市場ではフォードがテスラの市場シェアを奪いつつあるとも報じられています。これまでは電気自動車と言えばテスラ一択の状態だったのが、そうではなくなってきたことが原因のようです。

 今回の騒動から見えてきた電気自動車の新たな活用法への期待と、EV市場でのシェア巻き返し、この2つが引き金となって、双方向の充電が可能なテスラ車開発が近い将来に実現するかもしれません。

(アイキャッチ画像:Joseph MuciraによるPixabayからの画像)


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