Apple Watchによるフレイル検知 精度の高さをスタンフォード大学が認める

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 スタンフォード大学の最近の研究で、Apple WatchとiPhoneを使用することで、フレイル*を正確に検知できることが明らかになりました。その精度は、病院で実施するテストに置き換えも可能な程度とのこと。
 *フレイルとは、年齢に伴って筋力や心身の活力が低下した病態。英語はfrailty。

 自宅で使用しても信頼できるデータが得られたということで、まだ新型コロナウィルスの感染リスクが続く現在、その活用に大きな期待が寄せられています。

 


 

研究の概要

 今回の研究内容は以下の通りです。

出典:ErikaWittliebによるPixabayからの画像

 

被験者

 心臓、血管など循環器に疾患のある患者110人を対象。全員が退役軍人で、109人が男性。

使用端末と収集データ

 iPhone7とApple Watch Series3を使用。データ収集用にVascTracアプリを使用。どちらかの端末を身に着けている間、自動的にデータを収集し、1日の歩数合計、歩行距離の合計、1分以上の連続歩行の距離合計などを記録します。

6MWTを実施

 6分間の歩行テスト(6MWT)を実施。この6MWTは、フレイルの測定を目的に、循環器系疾患の患者に対し広く行われているテストですが、スマートフォンを使用して患者自身でテストする事例は需要が高いにも関わらず、まだ少ないのが現状です。

 Appleは、6MWTについて「患者の運動機能に関して最も優れた評価方法」とし、watchOS 7に搭載されています。心臓、呼吸、循環、および神経筋機能がスコア化されます。

6MWTの実施場所と時間

 患者は2週間、1・3・6カ月経過時に病院内で6MWTを実施。それ以外の週には、患者自身で自宅で6MWTを行いました。調査期間は6か月間。

 この6MWTの結果と自動的に収集されたデータを基に評価します。

 

研究結果

 一般的な検査では、感度(=真の陽性者を検知する確率)60〜90%、特異度(=真の陰性者を検知する確率) 80〜95%程度の精度が標準と言われています。

 今回の結果、Apple WatchとiPhoneを使用した測定について、病院での実施の場合、感度90%、特異度85%というかなり優れた精度であることが示されました。また、自宅で実施した場合は、若干精度が劣りますが、感度83%、特異度60%という結果に。

 研究チームの結論として、Apple WatchとiPhoneを使用して行った6MWTおよび自動取得されたデータは、循環器系疾患の患者の運動機能について、正確で有為なものであるとして、その有効性が実証されたと述べています。(研究の詳細はPLOS ONE参照。)

 

研究結果に対する反応

 この研究結果については、海外の様々なウェブメディアで紹介されていますが、このニュースに対して様々なコメントが寄せられています。

懐疑派

 今回の研究は独立した研究機関が行ったものですが、Appleからの資本提供を受けているので、Appleによるマーケティング戦略の一環なのではないかと疑念を抱く人もいます。また被験者の人数が不十分で、性別を含め、偏りがあることについても指摘されています。また、不適切なデータにより、不要な受診の増加につながるのではないかと懸念を示す医師も。

肯定派

 一方、Apple Watchユーザーの中には、Watchのおかげで、病院へ行くべきタイミングを逃さず命拾いしたとか、心臓専門医による診察時にWatchのデータを確認されたとか、自身の実体験に基づいて、今回の研究結果は当然であるといった受け止め方をしている人が見られます。

まとめ

 米紙ポリティコによれば、2020年におけるアメリカの死因1位は心臓病、新型コロナは3位とのこと。新型コロナの影響により、病院での受診控えもまだ多い中、Apple WatchとiPhoneを用いて自宅で危険な状態を察知できれば、大変便利ですね!Apple Watchのおかげで助かったというニュースは以前からたびたび話題になっていますし、今後の進化に期待大ですね。

アイキャッチ画像:fancycrave1によるPixabayからの画像


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