NASAが発表した計画「Callisto」は、宇宙飛行士がAI音声アシスタントなど商用技術を利用することで、宇宙での活動にメリットがあるかどうかを確認する実験計画です。
Amazon、Cisco、ロッキード・マーティンと共同で行われ、音声アシスタントのAlexa(アレクサ)も実験対象に含まれています。
実験計画「Callisto」の詳細
最初の試験飛行は、アルテミス1号ミッションで実施されます。女性と非白人クルーが搭乗する、初の月への飛行ミッションで、NASAの次世代ロケット、 Space Launch System (SLS) を使用します。このSLSにはクルーや貨物が乗り込み、乗客用のカプセル型宇宙船Orionも共に飛行します。
乗客用の宇宙船Orionを設計・開発したのは、ロッキード・マーティンで、アメリカの航空機・宇宙船の開発製造会社です。Orionに、Amazonの音声アシスタントAlexaの他、CiscoのWebexビデオ通話プラットフォームをiPad経由で組み込みます。宇宙船2機が一緒に飛行するのは初めての試みのため、Orionは無人飛行になります。
音声アクティベーション搭載で期待されること
Orionプログラム・副マネージャーのHoward Hu氏は、音声認識技術は先進的なOrionを次のレベルへ進化させるものであり、SFに登場する宇宙船でおなじみの双方向コンピューターシステムが、次世代の探検家たちにとっては現実の物になると述べています。
ツールをテストするために、「仮想乗組員」をテキサス州ヒューストンにあるNASAのミッション管理センターに配置。地上から飛行中のAlexaに指示を出したり、速度や宇宙船の運航状態等の質問をしたりする予定です。
また、AlexaはOrionからリアルタイムのデータを送信できるよう組み込まれており、スピーカーを通して応答します。
また船内のインターネット接続が限られているので、今回のミッション向けに特別に開発されたAlexaはインターネットなしで、事前に指定した数多くの質問や指示に応答できます。
まとめ
2021年には、Amazonのジェフ・ベゾス氏がブルー・オリジンの宇宙船「ニューシェパード」で宇宙旅行に成功したり、前澤友作氏が民間人として初めてISS(国際宇宙ステーション)に滞在したりと、宇宙に関するニュースが次々と報道されました。
また、イーロン・マスク氏が5年前に発表した「火星移民計画」の進捗も気になるところです。宇宙開発にますます注目が集まりそうですね!
出典:Mashable